【理学療法士の視点】放課後デイでの年齢別支援のコツ:未就学児・小学生へのアプローチの違い

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本日の要点:​放課後デイで働くPTが解説! 未就学児と小学生の年齢別支援のコツを実例で紹介。身体・感覚の専門家である理学療法士の視点から、自尊心と安心感を育む関わり方の工夫を解説します。

目次

背景説明:放課後デイの多様性と「同じ支援じゃダメ?」という課題

こんにちは、理学療法士の小野寺です。

私は回復期病院から放課後等デイサービスへ転職し、未就学児から小学生まで幅広い年齢の子どもたちと関わる機会を得ました。療育(子どもの発達を支援する活動)の現場は、年齢も特性も多様で、日々新しい学びがあります。

私自身、未就学児(主に幼児期)をメインに担当してきましたが、たまに小学生の支援に入ると、「あれ、関わり方、同じじゃ通用しないかも…😅」と感じることがありました。

今回は、この課題を乗り越えるため、年齢によって変わる“支援の視点”を理学療法士の視点を交え、実体験をもとにまとめてみました!

この記事を読むメリット 3選

1.支援の迷いが減る:未就学児には「安心感」、小学生には「自尊心」という、年齢別の支援の核が明確になります。
2.PT視点がわかる:身体・感覚の専門家である理学療法士が、遊びや生活の中で何を観察し、どうアプローチしているかが具体的に理解できます。
3.多職種連携に活かせる:他職種(保育士、STなど)との情報共有の際、専門性を活かしながら、効果的な声かけを提案するヒントが得られます。

👶 現場における一般的な課題の整理

放課後等デイサービスや療育現場では、主に以下の2つの課題に直面します。

  • 年齢差による対応の違い: 未就学児は「安心感や遊びの要素」が中心ですが、小学生は「目的意識や自尊心」が中心となり、声かけや活動内容を根本から変える必要があります。
  • 感覚特性の個人差: 一律の支援ではなく、「その子の身体・感覚特性(例:触覚や固有受容覚)」を理解した上での個別支援(インディビジュアル・サポート)が必須です。

今回は、この課題を乗り越えるため、年齢によって変わる“支援の視点”を理学療法士の視点を交え、実体験をもとにまとめてみました!

理学療法士の視点:PTは「身体・感覚」だけでなく「心の発達段階」も意識する

理学療法士(PT)と聞くと「歩行訓練」のイメージが強いかもしれませんが、療育現場では、遊びや生活の中で姿勢や動作(運動機能)を改善していくことが役割です。

私たちは、単に「身体の発達(筋力やバランス)」だけでなく、「心の発達段階(認知機能、社会性)」を意識して支援を組み立てています。

年齢層身体・感覚面(PT視点)で重視すること心・社会性面で重視すること
未就学児感覚・運動の模倣体験(まねをする体験)を通じた動作の基盤づくり安心感・信頼感をベースとした、言葉や情緒の発達を促す関わり。
小学生遊びや課題の「意味づけ」を通じた運動の応用と効率化自尊感情・目的の共有による自立集団生活への適応

実践内容・工夫:年齢別に見る具体的な関わり方

1. 👶 未就学児との関わり:「安心感」と「模倣(まね)の体験」が土台

未就学児の支援で最も大切にしているのは、まず「安心できる関係性」です。関わる大人が「安心できる存在」であることが、活動への参加意欲や成長の土台になります。

【実践例:感覚遊び】

  • ねらい: 不安が強く活動に集中できない子に、安心感と集中力を促す。
  • 実践: 言葉よりもまず、共感的な表情や声かけを意識し、抱きしめるなど「身体的な安心感」を与える。スモールステップで静かな活動に進める。
  • 子どもの反応: 最初は泣いていた子が、徐々にこちらの動きを模倣(まね)し始め、静かに活動に参加できるようになった。
  • 考察: 模倣は発達において非常に重要です。まずは「やってみようとした(模倣しようとした)」という行動自体を大きく褒めることで、活動への参加意欲が高まると考えられます。

2. 🎒 小学生との関わり:「自尊心」と「目的の共有」で自立を促す

小学生になると、「自分でできた」「周りと比べる」という意識が強くなります。支援への“納得感”が大切になるため、大人の導きすぎを減らす工夫が必要です。

【実践例:リハビリ要素のあるゲーム】

  • ねらい: プライドが高く、支援を嫌がる子に対し、自発的な参加を促す。
  • 実践: 運動の必要性を直接伝えるのではなく、「理由」を伝えながら進める。「不安定な場所を歩くのはバランス感覚(PT用語でバランシング)の訓練になるから、このゲームをしよう」と選ばせる・決めさせる機会を増やす。
  • 子どもの反応: 「バランスが必要な理由ならやる!」と納得し、自ら進んで難しい課題に挑戦するようになった。
  • 考察: 「自分で考えて動けた!」という感覚(自己効力感)が、自尊心を育てます。PTとして、遊びや活動に「意味づけ」を持たせることが、自立への重要なステップになります。

多職種との連携:「年齢差」を埋める情報共有の力

放課後デイでは、保育士さん・児童指導員さん・言語聴覚士さん(ST)など、多職種(様々な専門職)と協力して支援を行っています。

特に年齢が上がると、声かけの工夫・活動内容の難易度・ルールの伝え方などが変わってくるため、日々の情報共有が欠かせません。

  • 保育士/児童指導員: 子どもの「生活面での小さな変化」や「友達との関係」に関する情報(情緒・社会性)。
  • 言語聴覚士(ST): 「こんな言い方が響いたよ」「指示を出すときの言葉の量」など、コミュニケーションの特性に関する情報。

「今日はちょっと自信なさげだったね」「こんな言い方が響いたよ」そんな些細なやりとりが、支援の質を高めてくれます。多職種の視点を取り入れることで、PTの専門性だけでは見えない「その子の全体像」を掴むことができるのです。

まとめ・メッセージ:その子自身をよく見ることの大切さ

未就学児と小学生、それぞれに必要な関わり方は確かにありますが、今回の学びを3点にまとめます。

  1. 予防投資(知識): PTとして「身体発達」だけでなく、年齢による「心の発達段階」も意識する。
  2. 目的意識: 小学生には「選ばせる」「理由を伝える」ことで、自尊心と自立を育む。
  3. 土台作り: 未就学児には「共感」「模倣」を通じた安心感を最優先にする。

“年齢”は支援のヒントにはなりますが、すべてではありません。

一番大切なのは、その子自身をよく見ること👀

「どんな声かけが届くかな?」「何にワクワクしているのかな?」と、その子の今に必要な関わりを模索し、関わりを続けることの大切さを忘れずに、これからも支援を続けていきたいと思っています。

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この記事を書いた人

理学療法士 × FP × 2児のパパ。
働き方・お金・暮らしを“自分らしく整える”をテーマに発信中。

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