
こんにちは、理学療法士(PT)であり、FP2級の資格を持つ、30代パパ小野寺です。
毎日仕事に育児に、本当にお疲れ様です。
30代ともなると、職場では責任ある立場を任され、家に帰れば可愛いけれど手のかかる子供たちが待っている。「自分の時間なんてない!」と叫びたくなる瞬間、ありますよね。
将来への不安から「もっと節約しなきゃ」「資産運用しなきゃ」と焦っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、累計130万部を突破したベストセラーの最新作、『本当の自由を手に入れる お金の大学【改訂版】』についてレビューします。
私自身、適応障害で一度立ち止まった経験があります。
その時痛感したのは、「心の安定には、身体の健康とお金の安心の両方が必要だ」ということです。
今日は、YouTube動画では語られない、「FP × PT」視点でのリアルな活用法と、私が実際に手を付けたこと(そして、あえてやらなかったこと)を正直にお話しします。
この記事を読むメリット
この記事を読むことで、以下の3つの価値が得られます。
・YouTube派でも「本」を買う意味がわかる
動画では断片的になりがちな知識が、体系的に整理されます。
・FP視点での「信頼度」と「実践ポイント」がわかる
プロの目から見て、どこまで信用していいのか?の本音を解説します。
・心を壊さない「固定費削減」のコツが掴める
ただの節約ではありません。30代パパの私が実践した「ジム代の見直しや家計簿管理」を例に、精神的な豊かさを守る方法をお伝えします。
書籍概要
まずは、今回紹介する本の基本情報です。改訂版になり、ボリュームもアップしています。
| タイトル | 【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学 |
| 著者 | 両@リベ大学長 |
| 出版社 | 朝日新聞出版 |
| 出版日 | 2024年11月20日 |
| 著者紹介 | 「日本一自由なIT社長」。YouTubeチャンネル「リベ大」等の運営を通じ、金融知識(マネーリテラシー)を伝えている。 |
| ページ数 | 324 |
書籍目次
・0 経済的に自由になるための基本―お金持ちの大原則
・1 “貯める”―支出を減らして貯蓄を増やそう
・2 “増やす”―貯蓄を投資にまわして資産運用しよう
・3 “稼ぐ”―稼ぎを増やして蓄財ペースを上げよう
・4 “使う”―より高い価値を引き出すお金の使い方を知ろう
・5 “守る”―形成した資産を守ろう
正直レビュー:「動画で十分」は本当か?
私自身、両学長のYouTubeやブログは普段からチェックしています。なので、最初に結論を言ってしまうと、「情報の鮮度や中身だけを知りたいなら、本がなくてもYouTubeで十分」というのは、ある意味で事実です。
しかし、私はあえてこの改訂版を購入しました。なぜなら、紙媒体には「体系的に頭に入る」という強烈なメリットがあるからです。
動画: スポット的な情報は早いが、全体像が見えにくい。書籍: お金の「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力が体系化されており、辞書として使える。特に、私たちのような多忙なパパ世代は、スマホを開くとついSNSやニュースを見てしまいがちですよね。デジタルデトックス(※スマホなどの電子機器から距離を置くこと)を兼ねて、紙の本を開く。この習慣が、驚くほど頭の中を整理してくれました。
FP2級保持者が判定!この本の内容は信頼できる?
私はFP(ファイナンシャルプランナー)2級を持っていますが、専門家の視点から見ても、この本の信頼度は「かなり高い」と断言できます。世の中には「裏ワザ」的な怪しい投資話も多いですが、この本に書かれているのは「王道の基礎」です。
日本の社会保険制度の充実さ民間保険の正しい選び方詐欺に遭わないための考え方これらは、FPの教科書にも載っているような、極めてまっとうな知識。それを、中学生でもわかるようなフルカラーの図解で解説している点が、この本のいいところです。
「お金なくして自由なし」は残酷な現実だけど…
本書の冒頭(p.6-8)に、ガツンと頭を殴られるような言葉があります。
この際、キレイゴトは一切抜きにしましょう。はっきり言います。
「お金なくして自由なし!」
これが、資本主義社会のリアルです。
(中略)
お金がないのは、お金について学んでこなかったからです。とても単純な話です。
正直、ドキッとしませんか?
でも、これは事実だと思います。私たちが子供の頃、学校でお金の授業なんてありませんでしたから。
以下の記事でも書きましたが、お金について「知る」ことは本当に大事です。知らないことで損をしていることが山ほどあるからです。

でも、お金のために「心」を壊してはいけない
ここで、適応障害を経験した私から一つ、大切な補足をさせてください。
「お金なくして自由なし」は真実です。しかし、同時に「健康なくして資産なし」もまた真実です。
お金を稼ぐため、節約するために、無理をして心や体を壊してしまっては元も子もありません。

この本は、ただ「金持ちになれ!」と煽る本ではありません。
「正しい知識をつけて、無駄な不安や労働から自分を解放しよう」という、心の安定につながるガイドブックだと私は受け取っています。
お金の知識を楽しくつけながら、お金と上手に付き合っていく。それが、長く走り続けるための秘訣ですよ。
FP視点で納得!保険は「確率×損失」で考える
FP2級を持つ私が、この本の中で「これは絶対に全員が知っておくべき」と頷いたのが、保険の考え方(p.40-42)です。
多くの人が「なんとなく不安だから」という理由で保険に入りますが、両学長はこう言います。
不安という“感情”とオサラバして、“数字” だけで考え抜く必要があるで。
判断基準は以下の「確率」と「損失額」の2軸です。非常にシンプルで合理的です。
| ① 低確率 × 大損失 (発生確率は低いが、起きたら人生が詰むレベル) | → 保険で備える! (例:自動車事故、一家の大黒柱の死亡、火災) |
| ② 低確率 × 小損失 (発生確率は低いし、貯金で払える額) | → 保険は不要! (例:一般的な医療費、スマホの故障など) |
30代パパの私が「残した保険」と「やめた保険」
この基準に照らし合わせて、私も保険を徹底的に見直しました。
- 残したもの:死亡保険(掛け捨て)
私たちは子育て世代です。万が一、私が亡くなった場合、数千万円単位の「大損失」になります。これは貯金ではカバーしきれないので、保険が必要です。 - 見直したもの:貯蓄型保険や過度な医療保険
「もし入院したら…」という不安はありましたが、日本の公的保険(高額療養費制度など)を学べば、ある程度の貯金で対応できると分かりました。
「感情」ではなく「数字」で判断する。これだけで、毎月の固定費が数千円〜数万円浮くことも珍しくありません。
【最重要】心の安定のために「削ってはいけないもの」がある
さて、ここからが本題です。
節約や固定費削減の話をすると、多くの人が「我慢大会」をイメージしてしまいます。
しかし、声を大にして言いたい。
「固定費削減 = 我慢大会」ではありません。
節約にこだわりすぎて、日々の楽しみや心の栄養まで削ってしまうと、心が疲弊してしまいます。かつての私もそうなりかけました。そこで私が辿り着いた答えが、「メリハリ」です。
実録:僕が「ジム」を変えた理由、やめなかった理由
具体例として、私のジム代の見直しエピソードをお話しします。
以前は、大手24時間ジム「エニタイムフィットネス」(月額7,500円程度)に通っていました。
本を読み、「本当にその固定費が必要か?」と考えた結果、私は「FIT PLACE(フィットプレイス)」という別のジムに乗り換えました。
ここで重要なのは、「何を残して、何を捨てたか」です。
捨てたもの:自分にとって不要な機能
- シャワー(家で入ればいい)
- 他店舗の相互利用(近所のジムしか行かない)
絶対に残したもの:筋トレの環境
- マシンの充実度
- ジムに通う習慣そのもの
なぜ、ジム代そのものをゼロにしなかったのか?
それは、筋トレが僕にとって「精神安定剤」であり、健康を維持するための「投資」だからです。
僕にとってジムは、単なる運動の場ではなく、心を整えるために不可欠な場所です。
精神衛生上「本当に必要なもの」は、絶対に削ってはいけません。その代わり、自分にとってどうでもいい部分(僕の場合はシャワーの有無)を徹底的に削る。
このメリハリこそが、長く続く資産形成のコツです。
💡 あなたへの問いかけ
あなたにとっての「譲れない幸せ」は何ですか?
削ると「心が荒んでしまうもの」は何ですか?
それらのお金は、無駄遣いではなく「必要なコスト(投資)」です。胸を張って使いましょう。
あえて「アナログ」を選ぶ。夫婦の家計管理
もう一つ、私が実践している「本とは違うやり方」を紹介します。
本では効率的な「家計簿アプリ」が推奨されていますが、私たち夫婦は「手書きの家計簿」を使っています。
「え、FPなのに効率化しないの?」と思われるかもしれません。
でも、私たちにとっては、毎月紙に書いて「今月はこれに使ったね」「来月はどうする?」と夫婦で話し合う時間そのものが大切なんです。
アプリで自動化すれば楽ですが、会話が減ってしまうかもしれない。
変動費を二人で確認し、「今のままでいくか、アプリを入れてもっとスマートにいくか」を悩む過程も含めて、「夫婦の対話」を大事にしたいと思っています。
正解は一つではありません。あなたの家庭に合った方法で、心地よく管理できればそれが正解ですよ。
まとめ:今日が一番若い日。小さな一歩を
最後に、本書の中で私が最も好きな言葉を紹介します。
「今日が、人生で一番若い日です」(p.318)
10代の頃、「なんで自由がないんだろう」と悩んでいた著者が、行動し続けた結果たどり着いた言葉です。
私がブログを始めたのも、FPの勉強を始めたのも、この言葉に背中を押されたからです。
過去の私のように、「保険に入りすぎてお金がない…」と嘆いている方へ。
- まずは、自分が毎月何にお金を払っているか書き出してみる
- 「これ、本当に必要?」と一つだけ問いかけてみる
- 本屋でこの本の目次を眺めてみる
どれか一つで構いません。行動すれば、未来は確実に変わります。
「お金」と「健康」の両方を大切にしながら、一緒に少しずつ暮らしを整えていきましょう!
【免責事項・最終確認のお願い】
本記事は、筆者の個人的な経験と見解に基づいて作成されています。投資や金融商品、税制に関する情報は、必ずご自身で公的機関や金融機関の最新情報をご確認ください。本記事は、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資判断および情報の利用は、すべて読者様ご自身の責任でお願いいたします。
