
こんにちは。『働き方と暮らしを整えるブログ』を運営している小野寺です。
突然ですが、あなたは「何のためにお金を稼いでいますか?」
「家族のため」「将来の不安を消すため」「いい車に乗るため」…
理由は人それぞれですが、多くの人は「お金を増やす方法(投資や副業)」には熱心でも、「お金を使ってどう幸せになるか」については、意外と無頓着かもしれません。
私もかつては、「もっと稼がなきゃいけない、心の状態は無視してでも無理して働かなくちゃいけない」という強迫観念に駆られ、心を壊して適応障害になりました。
今回紹介する本、モーガン・ハウセルの『アート・オブ・スペンディングマネー』は、そんな私たちに衝撃的な事実を突きつけます。
「お金の使い方は計算(サイエンス)ではない。アート(芸術)だ」と。
この記事では、FP資格を持ち、一度立ち止まる経験をした私が、この本から学んだ「お金と幸せの本当の関係」について、多忙な子育てパパの視点で解説します。
🌿 この記事を読むメリット
・「高級車が欲しい」という欲求の正体がわかり、無駄な浪費がなくなります。
・「今を楽しむ」と「将来への貯蓄」の最適なバランス(アート)が見つかります。
・子供に「お金の教育」をする際、親として絶対やってはいけないNG行動がわかります。
書籍概要:『アート・オブ・スペンディングマネー』
| タイトル | アート・オブ・スペンディングマネー |
|---|---|
| 著者 | モーガン・ハウセル |
| 出版日 | 2025年(日本版) |
| 著者紹介 | 元コラムニストで、現在はベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド」のパートナー。前著『サイコロジー・オブ・マネー』は世界中でベストセラーとなり、お金と人間心理の専門家として知られる。 |
| ページ数 | 360 |
書籍目次
第1章 十分な情報があれば、どんな情報も意味をなす
第2章 アテンションプリーズ
第3章「収入」<「期待」=「不幸」
第4章 見えざる真実
第5章 最も価値ある資産
第6章 あなたを幸せにするもの
第7章「金持ち」と「真に豊かな人」の違い
第8章「実用性」対「ステータス」
第9章 最良の選択は「後悔を最小限にすること」
第10章 彼らを見ろ
第11章 自由のない富は、一種の貧困である
第12章 社会的負債
第13章 静かに効いてくる複利の力
第14章 アイデンティティ
第15章「実験」を繰り返そう
第16章 お金と子ども
第17章 数字、感情
第18章 小さな買い物にこだわりすぎない
第19章 欲と恐怖のサイクルを断ち切る
第20章 不幸を呼ぶお金の使い方
第21章 優しくあれ
「お金持ち」になりたかった私の勘違い
正直に告白します。私も以前は、通勤中にすれ違う高級車や、家の帰り道に見かける高級住宅に憧れていました。
「いいなぁ、お金持ちって。あんな家に住めて、いい車も持ってて」と。
しかし、この本を読んで、自分の心が求めていたものの正体に気づかされました。
私が欲しかったのは、高級車そのものではなく、それを持っていることで得られる(はずの)「他人からの尊敬や称賛」だったのです。
著者はこれを「称賛のジャンクフード」と呼びます。
派手なものを買えば一瞬は注目されるけれど、それは持続せず、本当に大切な人(家族や友人)からの信頼とは無関係だということ。
この事実に気づいてから、私の見るべき視点が少し変わりました。
「見栄」のためではなく、「家族との時間」や「心の自由」のためにお金を使おうと、思えるようになったのです。
「幸せな使い方」をマスターする3つの視点
1. 高級品は「称賛のジャンクフード」だと知る
この章でわかること:見栄消費をやめて、本当に大切なものにお金を使う方法
著者は、高級車やブランド品で得られる注目は、「ジャンクフード」のように一瞬で消え、長期的には体に悪い(心を満たさない)と言います。別に高級車やブランド品を持つこと自体を否定はしていません。勿論いい側面もあるので。
副業パパ視点での気づき:
私にとって「本当に尊敬や称賛を求めている相手」は誰か?と考えたとき、それは見知らぬ通行人ではなく、妻や子供、そして友人でした。
友人は、私がどんな車に乗っていようと関係なく、私の性格や振る舞いを見てくれています。
もしあなたが「何か高いものを買いたい」と思ったら、一度立ち止まって問いかけてみてください。
「これを買うことで、誰からの称賛を得ようとしているのか?」
その答えが「見知らぬ誰か」なら、そのお金は家族旅行や自己投資に回した方が、幸福度は圧倒的に高くなります。
【再現性の高いアクション】
欲しいものリストを作ったら、それぞれの横に「誰のための消費か?(自分/家族/他人)」を書き込んでみましょう。
「他人」のための消費を消すだけで、お金は驚くほど貯まります。
2. 貯蓄とは「嫌なことから逃げる自由」を買うこと
この章でわかること:我慢としての貯金ではなく、未来への投資としての貯金
「今を楽しむこと」と「将来のために貯蓄すること」。このバランスは永遠の課題です。
著者は、貯蓄を「今日の我慢」ではなく、「自立と自由を買う行為」だと定義しています。
今日100ドル(約1.5万円)を貯金することは、将来「嫌な上司に頭を下げなくて済む自由」や「病気になった時に休める自由」を100ドル分買っているのと同じなのです。
副業パパ視点での気づき:
適応障害を経験した私にとって、この考え方は救いでした。
貯金があることは、「いざとなったら逃げられる」という最強の精神安定剤になります。
ただし、将来ばかり見て「今」を犠牲にしすぎるのも毒です。
健康であってこその人生ですから、バランスを整えながら、ゆっくり資産形成を進めていきましょう。
【再現性の高いアクション】
貯金をする時、「老後のため」と漠然と考えるのではなく、「自由を買っている」と唱えてみてください。
通帳の数字が、あなたの「自由のポイント」に見えてきますよ。
3. 新しい挑戦は、人生の時間を「遅く」する
この章でわかること:あっという間に過ぎる30代を、充実した時間に変える方法
年を取ると1年が早く感じるのは、新しい記憶(変化)が減り、日常が単調になるからです。
著者は、お金を使って新しい体験をすることで、「時間の経過を遅らせる(充実させる)」ことができると言います。
副業パパ視点での気づき:
私にとっての「新しい挑戦」は、間違いなくこのブログです。
記事を書くこと、新しいツール(WEB漫画作成のnanobananaproなど)を試すことは、毎日が刺激的で、時間の密度が濃くなったと感じます。
お金を使って「モノ」を買うのではなく、ブログのサーバー代や新しいスキルの習得など、「体験」や「挑戦」にお金を使う。
これが、人生を長く、深く楽しむための秘訣です。
👇 私が最近挑戦したWEB漫画はこちら(nanobananaproで作成)

親としてどう生きるか?子供への「お金教育」の正解
この本の後半には、子育て世代にとって非常に重いテーマが書かれています。
それは、「子供にどうお金との付き合い方を教えるか」です。
著者は、言葉で「節約しろ」「勤勉になれ」と教えることの危険性を指摘しています。
親が贅沢をしているのに子供に質素を強いると、それは「教育」ではなく「恨み」を生むだけだと。
✅ 私の独自実践:背中で語る「模範」になる
私はこの章を読んで、子供に対して「言葉」ではなく「行動(背中)」で示そうと決意しました。
- 見栄のためにお金を使わず、家族との体験にお金を使う姿を見せる。
- 仕事(副業含む)を「辛い労働」としてではなく、「価値を提供して対価を得る楽しい行為」として見せる。
- 「お金があるから幸せ」なのではなく、「自立しているから幸せ」なのだと生き方で証明する。
経済的自由(FIRE)を目指すあまり、子供との時間を犠牲にしては本末転倒です。
「お金は自由になるための道具だけど、一番大切なのは君たちとの時間だよ」
そう胸を張って言えるような、バランスの取れたパパでありたいと思います。
まとめ:あなただけの「アート(正解)」を描こう
モーガン・ハウセルの『アート・オブ・スペンディングマネー』は、お金の計算式ではなく、「お金を使ってどう生きるか」という哲学を教えてくれる本です。
今回の要点まとめ
・高級品は「称賛のジャンクフード」。見栄消費をやめれば、心はもっと自由になる。
・貯蓄は「我慢」ではなく、将来の「自由と選択肢」を買う行為である。
・子供への教育は言葉ではなく、親自身が「幸せなお金の使い方」を実践する姿で見せる。
お金の使い方に、万人に共通する正解(サイエンス)はありません。
あるのは、あなたとあなたの家族が笑顔になれるかどうかという、個別解(アート)だけです。
まずは今日、あなたが最近使ったお金を振り返ってみてください。
それは「見栄」のためでしたか? それとも「自由」や「体験」のためでしたか?
その答えの中に、あなたが本当に求めている幸せのヒントが隠されているはずですよ。
【免責事項・最終確認のお願い】本記事は、筆者の個人的な経験と見解に基づいて作成されています。投資や金融商品、税制に関する情報は、必ずご自身で公的機関や金融機関の最新情報をご確認ください。本記事は、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資判断および情報の利用は、すべて読者様ご自身の責任でお願いいたします。